海と船なるほど豆事典船のなるほど

パイロットの仕事

 せまい海峡や港などは潮の流れが複雑で、それぞれに特徴があります。また、海の浅いところも多くなっています。そのうえ船がたくさん行き来しますから、安全に走るためには、操縦にも特別の注意が必要です。そこで、これらの海をとおるときに、その海峡や港の海の状況をよく知っている人を乗せて、船長が船を動かす支援をします。これがパイロット、日本語で水先人と呼ばれる人たちです。ふつうパイロットというと飛行機の操縦士を思い浮かべますが、もともとは船の水先人のことなのです。パイロットは誰でもなれるわけではなく、国家試験である水先人試験をパスし、水先人の免許を取得することが必要です。

 現在、日本の海域には34カ所の水先区と呼ばれる、パイロットが仕事をする区域があります。このうち横浜川崎区、横須賀区、関門区、佐世保区、那覇区の5つの港域と、東京湾(東京、千葉、木更津などをふくむ)、伊勢三河湾(名古屋、四日市、衣浦などをふくむ)、大阪湾(神戸、大阪阪南などをふくむ)、備讃瀬戸(水島などをふくむ)、来島海峡、関門海峡の6つの水域を強制水先区といって、一定の大きさ以上の船は、その船の船長がその港、水域をたびたびとおっている場合をのぞいて、必ずパイロットを乗せなければならないと決められています。

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