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日本国内の港から港へ船で物品を運送することを内航運送といいますが、これを事業としておこなうことを内航海運業といいます。内航海運のおもな働きは、輸入により海外から運ばれてきた原材料などが大きな港におろされたあと、そこから小型の貨物船などに積みかえて、工場のある日本国内各地の港へ運ぶことや、工場でつくられた製品を大都市近くの港へ運んだり、輸出するために工場近くの港から大きな港へ運ぶことなどです。北海道で生産された牛乳や農産物を東京や大阪などの大消費地へ輸送するのにも、内航海運が大きな役割を果たしています。このように現在、約5,300隻の貨物船や専用船が日本国内の港から港へさまざまな貨物を運んでいます。
 日本国内では2012年におよそ4,092億トンキロの貨物が、船やトラックなどによって運ばれました。トンキロというのは輸送トン数に輸送距離(km)を乗じた単位です。このうち内航海運は1,778億トンキロ、43.4%で、トラックの2,100億トンキロ、51.3%に次ぐ割合です。
 船は重量物や一度にたくさんの貨物を運ぶのにすぐれています。内航海運が運んでいるものは石油製品、金属、非金属鉱物、砂利、砂、石材、石炭、セメントなどが多く、これらの物資の輸送の90%近くを運んでいます。これらの原料や製品は、日本の産業やわたしたちの暮らしを支える基礎的な物資ですから、休むことなく輸送される必要があり、内航海運の果たす役割は重要なのです。
 近年、地球温暖化防止の対策のひとつとして、モーダルシフトが進められています。モーダルシフトとは、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出が少ない船や鉄道を国内の貨物輸送にもっと利用しようというものです。二酸化炭素の排出量をくらべると、内航海運はトラックのおよそ5分の1と少ないのです。騒音も小さく、たくさんの物資を効率よく運べますから、環境にたいへんやさしい輸送機関なのです。現在、モーダルシフトを進める対策が決められ、よりいっそう環境にやさしいスーパーエコシップ(電気推進船)も登場しています。