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海上保安庁の仕事

 日本はまわりを海でかこまれ、むかしから漁業の場として、また交通・交易の手段として海を利用してきました。海上保安庁はこうした海を舞台に活躍する国の機関です。皆さんは局番なしの118へ電話をすると海上保安庁へつながることを知っていますか。海で事件や事故にあうなど、「もしも」のことが起こったときには118へ電話して下さい。海上保安庁は活動の場所が海ということもあり、皆さんの目にとまる機会は少ないかもしれませんが、日々、日本の海の安全を守っているのです。その仕事は大きくわけると3つあります。

 第1は、海の安全を守るために海上犯罪の取りしまりや、事故の救助活動です。海から日本に入ってくるものはよいことばかりではありません。麻薬や拳銃などの密輸入、近隣諸国からの密航者があとを絶たないのです。海上保安庁はこうした事件を取りしまるとともに、日本に入ってこないように船や航空機でパトロールしています。また、海には危険なこともたくさんあります。船の衝突や乗り上げ、火災などの事故がおきたとき、海上保安庁はただちに出動します。事故が起らないように、海を走る船の交通整理をすることも大切な仕事です。

 第2は、船が安全に航行できるように海の調査をしたり、海の地図である海図などをつくることです。海の中には高い山や深い谷があって、潮の流れも場所によってまったくちがいます。これらの情報を海図にまとめたり、水路誌などを発行して、海を安全に航行できるように情報を提供しているのです。

 第3は、広い海で船が迷わないように灯台や灯浮標などの航路標識をつくり、それらが正しく動くように点検や監視をすることです。港に入るためには、航路と呼ばれる決められた道をとおらなければなりません。この航路を知るために必要なのが航路標識なのです。航路標識には目に見える光や形、色を利用するものと、電波を利用するものなどがあり、それぞれにさまざまな意味をもたせています。

 島国である日本にとって、海は大切な資源であり、なくてはならないものです。わたしたちの力で海を守っていきましょう。

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