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海賊っているの

 海賊などというと映画のなかだけの話のように思うかもしれません。けれども、現代でも船にしのびこんで乗組員から金品を盗んだり、陸上の強盗事件と同じような犯罪がおきています。

 こうした海賊行為は船が港に止まっているときにそっとしのびこんだり、船がゆっくり走っているときに、ボートなどで近づいて来て船に飛びうつる、というのがほとんどです。そして乗組員から金品を盗んで逃げてしまいますが、なかには積んでいた貨物ごと船を盗んでいくこともあります。日本の船会社が運航していたアロンドラ・レインボー号は、1999年にインドネシアの港を出てから海賊におそわれ、船ごとうばわれてしまいました。日本人船長ほか乗組員17人は船からおろされ、ゴムボートで漂流しましたが、10日後に漁船に助けられました。もし漁船が見つけてくれなければ、乗組員は死亡していたかもしれません。

 2010年には海賊の被害が445件おきています。その中でもソマリア沖・アデン湾の周辺の被害は219件にのぼりました。

 日本では海賊対策として、2009年6月に「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」が成立し、同年7月から同法に基づく海賊対処行動として、自衛隊の部隊がソマリア沖・アデン湾を航行する船舶の護衛活動及び警戒監視活動を行うようになりました。2013年からは「海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法」に基づき、一定の要件を満たす日本籍船において民間武装警備員の乗船警備が可能となりました。このような日本を含む国際的な取り組みにより、2020年のソマリア沖・アデン湾の周辺の被害は0件となりました。

 しかしながら、被害は減少しているものの、東南アジアや西アフリカ等世界各地で、海賊の脅威は依然として存在しています。

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