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海洋汚染はどうしておきるの

 海洋汚染とは海の生物や人間の健康に有害なものが、人間によって直接海へもちこまれたり、下水などから海へ流れこむことです。汚染にはゴミや産業廃棄物が捨てられたり、船の事故などで石油が流れだすといった一時的なものと、工場や家庭からの排水、河川や大気から農薬などの化学物質が流れこむといった慢性的なものとがあります。

 慢性的な汚染はわたしたちの気づかない海面下で進み、大きな問題になっています。わたしたち人間が出す生活排水にはたくさんの有機物がふくまれていて、多くは下水処理場で取りのぞかれますが、海に流れだした有機物は海水を富栄養化し、植物プランクトンの大発生、赤潮をまねきます。赤潮は魚のえらにつまったり、海水中の酸素を減らしたりして生物を死なせてしまいます。

 海にそそぐ有害な化学物質は、食物連鎖をとおして濃縮されながら、生物の体内に蓄積されていきます。ですから生態系のピラミッドのいちばん上にいるものほど、つまり人間ほど、高濃度の有害物質を取りこむことになるのです。いま、海中のバクテリアが汚染物質を分解しても追いつかないほど、地球の海は汚れてきています。

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