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弁才船(べざいせん)ってどんな船

 弁才船は17世紀前半におもに瀬戸内海で活躍していた船の形です。当時は300石積前後の中型船でした。当初、漕帆兼用船でしたが、このころから帆走専用船となり、乗組員の数も少なくなり、改良がかさねられました。そして手ごろでつかいやすい船として、流通経済の発達とともに1,000石積、1,500石積と大型化され、全国的に普及していきました。よくいわれる千石船とは、大型の弁才船をさす呼びかたとして広まりました。

 幕末に洋式船が入ってくると、その技術を取り入れて、明治時代に入っても経済性の高い商船として活躍しました。また、大坂(大阪)より木綿、油などの日用雑貨を江戸にはこんだ菱垣廻船から分離して、おもに酒荷をはこぶようになった樽廻船、そして日本海側で活躍した北前船(北前船型弁才船)も弁才船の代表です。

1,600石積弁才船(樽廻船)の5分の1の復元船(写真提供・船の科学館)

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