海と船なるほど豆事典船のなるほど

船のはじまり

 船の歴史は地球上に人類が誕生したときからはじまりました。水辺に住む人が川を渡らなくてはならなくなったとき、はじめは泳いだのでしょうが、荷物があれば泳ぐのはむずかしくなります。そんなとき、たまたま浮いていた木の枝を利用して荷物を運んだりしたことは、じゅうぶんに想像できます。やがて、木の枝をたばねてよりたくさん荷物をのせたり、人がまたがったりするようになり、これが船のおこりといわれています。

 やがてさまざまな工夫や改良が加えられるようになり、船の進化がはじまります。丸太を組みあわせたいかだや、丸太をくりぬいた丸木舟が登場します。船を造るには材料が簡単に手に入らなければなりませんから、丸太がないところでは、たとえば竹やアシがつかわれました。動物の皮をぬいあわせて中に空気を入れて浮き袋とし、それをならべていかだにした例もあります。けれども、これらの方法では大きな船を造れませんし、波にたいして弱く、岸辺をゆっくり行き来するのがやっとだったと考えられます。

 より遠くへ安全に航海することができるようになったのは、組立船と呼ぶ船が造られるようになってからです。組立船は船の骨組みをじょうぶに造り、それに板などをはりつけて造られました。紀元前4000年ぐらいと推定されている出土品に、組立船らしき船が描かれています。この組立船は現在の船の原形になるもので、その後さまざまな改良が加えられ、それぞれの地域に適した形に発展していきました。船の動力もかいから帆へ変わり、19世紀に入ると蒸気機関がつかわれだしました。船の材料も木から鉄、鋼鉄と変わり、今日にいたっています。

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