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船を造っていく過程で、もっとも華やかなのが進水式です。数万tの大きな船が水に浮かぶ瞬間は感動的です。
 船が進水するとき、古くからいろいろな儀式がおこなわれてきました。ローマ時代には進水する船を清めるためにワインがつかわれていましたし、バイキングは奴隷などを生けにえとして神にささげて、船の進水を祝いました。
 現在の進水式では、シャンパンのびんを船にぶつけて進水させます。この方法はイギリスで18世紀に入ってから始まったようですが、はじめは赤ワインのびんをたたきつけて進水させていました。なぜ赤ワインなのかは、赤ワインが生けにえの血のかわりだからといわれています。その後、白ワインやシャンパンでもよくなり、最近はほとんどシャンパンがもちいられています。日本では日本酒をつかうところもあります。
 進水式では船から支綱と呼ばれるロープを1本のばし、これにシャンパンをつなぎます。このロープを船会社の代表者などが切り、船の誕生を祝います。ロープを切るとびんが船首にあたってわれ、船は船尾から海に向かってゆっくりと動きだします。五色のテープが舞い、ブラスバンドの演奏もおこなわれます。
 こうして書くと、支綱というロープ1本で船をつないでいるように見えますが、じっさいはトリガーという装置が、船をすべらないようにしています。トリガーはてこの原理を応用し、300tの力をわずか1kgに減らすことができます。ですから大きな船も、しっかり止めておけるのです。支綱が切られると同時に、このトリガーがはずされ、船はすべりだします。水に浮かんだエンジンも舵(かじ)もない船を止めるには、船に積んでおいた、太いくさりをたばねたドラッグチェーンを海になげておこないます。
 船台から船をすべらせて進水させるのは、20万重量tぐらいまでが限度です。それ以上大きな船はドックで造られ、進水時はドックに注水して船を浮かせます。船が浮いたらドックから海へ引きだせばよいので、大きな船でも安全に進水させることができます。

大型カーフェリーの進水式