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水の惑星「地球」/海洋エネルギー開発/国連海洋法条約/海洋汚染
~ 水の惑星「地球」 ~
地球の全表面積5億1,063キロ平方メートルの内、およそ70%にあたる部分が海です。この海の存在が、この地球に人類やたくさんの動物や生物、植物などの生命体を育んでいます。地球が美しい青い海でおおわれていることは、スペースシャトルや人工衛星などから撮影された地球の写真が物語っていますし、人類初の宇宙飛行士ガガーリンが、「地球は青かった」といったのも有名な話しです。
地球の大部分を占める海ですが、分類上は大洋と付属海に分けられます。大洋は広大で独立していて、海流が流れ、深海部があるものをさします。太平洋、大西洋、インド洋、北極海、南極海を5大洋と呼んでいます。また、太平洋と大西洋を南北で分け、「7つの海」ということもあります。
付属海は独立した海流がなく、大洋に比べて水深も浅く、天候などの海況が付属している大洋の影響を受けることから、付属海と呼ばれています。付属海はさらに地中海と縁海に分けられます。地中海は2つ以上の大陸に囲まれているか、大陸の中へ深く入り込んでいて、狭い海峡で大洋とつながっている海です。ヨーロッパの地中海、北欧のバルト海、ペルシャ湾などがその例です。縁海は大陸の周辺に沿って広がり、半島や列島で囲まれている海です。日本海、ベーリング海、北海などがそれにあたります。

~ 海洋エネルギー開発 ~
海が起こすさまざまな現象、たとえば波や潮の干満などから効率よくエネルギーが取り出せれば、私たちは無尽蔵でクリーンなエネルギー源を得ることになります。そうすれば現在の石油や天然ガスなどの限りあるエネルギー源に頼る事情は、大きく変わることになるでしょう。その実現に向けて、各国でさまざまな海洋エネルギー開発が進められています。
■ 波力発電
波力発電は波の力で発電機をまわして電気を得る仕組みで、日本のように、海岸に絶えず波が押し寄せる国にはぴったりです。この分野では日本は世界をリードしてきました。すでに航路標識などの小規模なものは実用化され、さらに大規模なものの実用化を目指して、実験が行なわれてきました。 たとえば海洋科学技術センター(現:独立行政法人海洋研究開発機構)では、平成10年7月から平成14年3月までの約3年半の間、沖合浮体式波力装置 「マイティホエール」 の実験を行いました。 「マイティホエール」 は長さ50m、幅30mのくじらの形をした波力装置です。実験は三重県度会郡南勢町五ヶ所湾沖で行われ、今後の波力発電の実用化を目指す上で様々なデータを得る事ができました。海外でもイギリスやスコットランドのIslay島に設置された500kw級の発電装置は、商用系統に接続され給電をおこなっております。
■ 潮汐発電
潮の干満のエネルギーを利用する、海の水力発電所が「潮汐発電」です。世界には地形や潮流などの関係で、潮の干満の差が10mを越える地域がありますが、この方法は干満の差の大きなところで有効です。
潮汐発電は、沿岸部にダムを造り、満潮時にダムに海水を蓄え、干潮時にそれを放出して発電機の水車をまわし、電気を得るのが基本的な仕組みです。より効率よく電気を得るために、満潮時にも発電機をまわせるようにしたものなどもあります。
■ 海水温度差発電
海水の表面温度が高い赤道周辺で有効なのが「海水温度差発電」です。赤道周辺の海水の海面近くの温度は25℃~30℃にもなりますが、水深500m付近では数℃にまで下がり、水深1,500mになると1℃~4℃の範囲で安定します。海水温度差発電はこの温度差を利用します。仕組みは海面付近の温度では気化し、深い水温の低いところでは液化する特殊なガスを使い、このガスを循環させて、その圧力でタービンを回して電気を得るものです。
~ 国連海洋法条約 ~
海はどの国の船も自由に航行できる「公海」と、沿岸国の主権がおよぶ「領海」という2つの考え方に分けられます。領海をめぐっては、3海里(約5.6km)や12海里(約22.2km)など、国によってどの範囲までを指すのか統一した決まりがなく、しばしば紛争の原因となりました。1930年、国際連盟は会議を開き、領海の範囲の統一を目指しましたが、調整がつかずに失敗しています。
その後、1958年からの第1次、1960年からの第2次、1973年から1982年までの第3次の国連海洋法会議が続けられました。そして、ようやく1982年12月に採択され、1994年11月に発効したのが「国連海洋法条約」です。
この条約によって決められた内容の主な点は、次のようなものです。
・ 領海の幅は12海里以内とする。
・ 沿岸国は200海里までの排他的経済水域を設定することができ、その中にいる魚などの生物資源、鉱物などの非生物資源の探査と開発について、沿岸国の権利が認められる。
・ 海洋環境の保護について国家の権利と義務を規定し、沿岸国の管轄権を強化する。
・ 平和的目的の海洋の科学調査について、国際協力を進める。
この条約は、「排他的経済水域」という公海でも領海でもない水域を設定し、沿岸国にその中の資源の開発などを認めるかわりに、資源の管理と海洋汚染防止の義務を負わせている点に特徴があります。
また、海洋に関するすべての問題をひとつの条約の中にまとめた点で、世界の新しい海洋秩序の体系化に大きく貢献するものと、評価されています。
~ 海洋汚染 ~
1994年に発効された国連海洋法条約の中で、海洋汚染とは「海の生物や人間の健康、漁業などの営みに有害なものを人間が、直接、または間接的に海に持ち込むこと。」と定義されています。
汚染には、ゴミや産業廃棄物の投棄、船の事故などによる原油の流出といった一過性のものと、工場や家庭からの排水、河川や大気からの農薬などの化学物質の流入といった慢性的なものとがあります。現在、大きな問題となっているのは、私たち人間が出す生活排水に多量に含まれている、有機物による汚染です。
海に注ぐ有害な化学物質は、食物連鎖を通じて濃縮されながら、生物の体内に蓄積されていきます。生態系の上位の捕食者ほど、高濃度の化学物質を取り込むことになりますが、地球の生態系のトップにいるのは私たち人間なのです。たとえば、水俣病は水銀に犯された魚介類を食べ続けた結果なのです。バクテリアがいくら汚染物質を分解しても追いつかないほど、地球の海は汚染されてきているのです。
■ もしこれだけのものを流したら
魚が住める水質に戻すために必要な水の量は浴槽(300リットル)何杯分になるでしょうか。
しょうゆ大さじ1杯(15ml)1.5杯
米のとぎ汁3合分(500ml)4杯
牛乳コップ1杯(180ml)9.4杯
缶コーヒーコップ1杯(180ml)14杯
日本酒お銚子1本24杯
てんぷら油(500ml)330杯
地球の全表面積のおよそ70%を占める海は、熱を蓄える力が大気の1,100倍もあり、また、大きな海流の動きがあります。たとえば海流を考えてみましょう。海流はさまざまなエネルギーが組み合わさって起こりますが、貿易風や偏西風など主に風の力で起きる表層海流と、海水の温度差が主な原因とされる深層海流があります。これらの海流の動きは漁業や海運に大きな影響をおよぼすのはいうまでもありませんが、それ以上に、地球環境を守る上で大きな働きをしています。海流は赤道付近の熱エネルギーを北や南の高緯度地帯へ運ぶ役目をしているのです。もし、海流の大きな動きがなくなったら、赤道付近はいっそう暑く、高緯度地帯はいっそう寒くなり、私たちの暮らしは大きな影響を受けてしまいます。このように海は、大気とともに地球の気候を支配し、地球環境を維持、保護する働きをしているのです。
近年、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、大規模な海洋汚染など、地球環境問題への関心が高まっています。将来、地球環境の悪化が進行すれば、私たち一人ひとりののくらしは、はかりしれないダメージを受けることになるでしょう。たとえば地球温暖化により南極や北極の氷がとけだし、海面が上昇して海況が大きく変われば、気候の変動や漁業資源への影響など、さまざまな問題の発生が考えられます。
こうした事態をさけるためには、地球環境に大きな影響をおよぼす海洋環境に対して、つねに関心を持ち、私たち一人ひとりが海洋環境を守るという意識を持ち続けることが、大切になってきます。