

― 本教材の趣旨 ―
一般財団法人 総合初等教育研究所 参与 北 俊夫
日ごろ、貿易や輸送といった用語はたびたび見聞きすることがありますが、それらの具体的な姿が日常の身近なところで見られないことから、その内容や働きについて必ずしも十分理解されていない状況が散見されます。 「貿易」とは、国際間で行われる商品を輸出入し取引することをいいます。また、ものを運ぶためにさまざまな輸送手段が利用されており、「運輸」や「物流」が重要な役割を果たしています。運輸や輸送の手段には、船舶による海上輸送、航空機による航空輸送、トラックや貨物鉄道による陸上輸送があります。物流には、ものを流通させるために必要となる、包装、荷役、輸送、保管などのすべての活動や施設などが含まれています。 わが国の社会の産業活動や私たちの生活は「貿易や輸送」の働きによって支えられており、子どもたちがわが国の貿易の現状や特色、さまざまな輸送手段の役割などについて学ぶことは、日々の生活を送るうえで重要なことであると考えます。本コンテンツは、小学校社会科5年で学ぶ「工業生産を支える貿易と運輸」と、中学生地理で学ぶ「交通・通信から見た日本の特色」の学習内容に対応して作成されています。授業などで活用することにより、わが国の「貿易や輸送」の働きについて理解を深め、関心を高めることができます。 併せて、ここには、写真をはじめ、地図やイラストなどの資料、動画などが豊富に盛り込まれており、これらを目的意識をもって活用することにより、子どもたちに資料や情報の活用能力をはぐくむことができます。
小学生社会科向け指導案
社会科5年「工業生産を支える貿易と運輸」に対応
指導案①

配当:1時間
「日本の貿易の現状」
小単元「工業生産を支える貿易と運輸」で、わが国の貿易の現状や特色について学習する際の指導例を示しています。
関連教材
指導案②

配当:1時間
「さまざまな輸送手段」
小単元「工業生産を支える貿易と運輸」の学習で、船やトラック、航空機、貨物鉄道などさまざまな輸送手段について扱われます。その際に、陸上、海上、航空などの輸送手段の役割や特徴について学習する際の指導例を示しています。
関連教材
指導案③

配当:1時間
「日本の主な輸出入品の種類や輸送手段」
小単元「工業生産を支える貿易と運輸」で、日本の主な輸出入品の種類や輸送手段について調べる時間の際の学習指導例を示しています。
関連教材
指導案④

配当:1時間
「海運と船と港の役割」
小単元「工業生産を支える貿易と運輸」の発展的学習として、貿易量99.6%を担う海運について学習する際の指導例を示しています。
関連教材
社会科5年「自動車をつくる工業」に対応
指導案⑤

配当:1時間
「自動車の外国への輸出」
小単元「工業生産を支える貿易と運輸」の学習では、わが国の輸入と輸出について学習します。
通常はその段階で終わりますが、ここでは、そのあと、子どもたちの関心の高い、また、すでに小単元「自動車をつくる工場」で学習ずみの「自動車」に焦点を当てて、日本で生産された自動車がどのように外国に届けられているのかを具体的に学習する際の指導例を示しています。
小単元「自動車をつくる工業」の学習の直後に、生産された自動車が外国にどのように運ばれていくのかを課題に発展的に学習する場面を設けて指導する事例としても活用することもできます。
関連教材
社会科5年「私たちの生活と食料生産」に対応
指導案⑥

配当:1時間
「小麦の日本への輸入」
小単元「工業生産を支える貿易と運輸」の学習では、わが国の主な輸入と輸出について学習します。
通常はその段階で終わりますが、ここでは、子どもたちに馴染みのあるパンなどの原料になる「小麦」に焦点を当て、外国で生産された小麦がどのようにして日本に届けられているのかを具体的に学習する際の指導例を示しています。
単元「私たちの生活と食料生産」の最終で取り上げられる小単元「これからの食料生産」の学習で「食料自給率」を扱う際に、発展的に学習する場面を設けて指導する事例としても活用することもできます。
関連教材
中学生社会科向け指導案
社会科 地理的分野 大項目C
「日本の様々な地域中項目
日本の地域的特色と地域区分 ④交通・通信」に対応
指導案①
配当:1時間
「貿易における海上輸送の大切さを知ろう」
海洋国である日本にとって貿易は必要不可欠であり、その責務の大部分を海上輸送が担っていることを理解させる指導例を示しています。
関連教材
指導案②
配当:4時間
(探究の過程①課題設定②情報収集③
整理分析④まとめ)
「国内各地の結びつきや日本と世界との結び付きの特色を明らかにする」
中学校社会科地理的分野「大項目C日本の様々な地域、中項目(2)日本の地域的特色と地域区分より④交通・通信」を想定した単元指導計画を対象に、生徒自らが決めた学習課題を、自ら解決していく「自由進度学習」を進めるための教師指導例を示しています。
関連教材
保護者・児童向け手引き
楽しく学び、くわしく知ろう!
海運と船と港の役割
