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ふ頭/出入港を支える仕事/港で見られる船
■ ふ頭
係留施設、クレーン、上屋、臨港道路などが整えられたものがふ頭です。ふ頭は使われる形態によって、公共ふ頭と専用ふ頭に分けられます。また、積みおろしされる貨物の内容で分けると、コンテナ、鉄鉱石、穀物など特定の貨物だけ取り扱う専門ふ頭と、一般貨物を取り扱う雑貨ふ頭とになります。
■ 公共ふ頭
公共ふ頭は、港湾管理者(都道府県や市町村などの地方公共団体が主体)によって整備されたふ頭で、先着順の申し込みによる利用が原則で、海運会社、荷主を問わず、誰でも利用することができます。公共ふ頭の大部分は雑貨の積みおろしを中心とし、そのための上屋、道路などが整備されています。管理は港湾管理者によって行なわれています。
■ 専用ふ頭
専用ふ頭は民間企業が建設して保有するふ頭で、管理も民間企業によって行なわれています。専用ふ頭は製油所や発電所などの一部としてつくられ、その企業のためだけに使われるふ頭と、運営会社によって管理され、多くの海運会社、荷主が利用できるふ頭に分けられます。
■ コンテナふ頭
コンテナ船専用のふ頭がコンテナふ頭です。コンテナ船の登場はそれまでのふ頭のようすを一変させました。短時間で効率よく荷役を行うために、ふ頭全体がシステム化され、従来とは比較にならないほど、短時間での荷役を可能にしたのです。
ふ頭にはコンテナヤード、コントロールタワー、ゲートなどが効率よく配置されています。コンテナヤードはコンテナの受け渡しや保管のための場所で、ふ頭の大部分を占めています。ヤード内のコンテナの移動には、ストラドルキャリアやトランステナーという専用の移動式クレーンが使われます。コントロールタワーはコンテナの配置や移動、荷役の順番などを管理、指示するところで、空港の管制塔のようにヤード全体を見渡せる高い場所にあります。ゲートはコンテナ貨物の受け渡しをするところです。書類の受付やコンテナの置き場所の指示などをします。

■ 穀物ふ頭
大豆、小麦などの穀物が荷揚げされるのが穀物ふ頭です。高くそびえるサイロと呼ばれる穀物倉庫が立ち並んでいます。船が接岸すると、空気の力で穀物をサイロへ送り込むニューマチックアンローダーという装置で自動的に荷揚げされ、その後、国内の各消費地へ輸送されます。また、穀物ふ頭周辺には製粉、製油などの工場がつくられ、食品コンビナートを形成しています。
■ 石炭ふ頭
石炭や鉄鉱石など、工業用原材料となるばら貨物を扱うふ頭を、まとめて石炭ふ頭と呼んでいます。石炭ふ頭には船から揚げ荷を行うためのアンローダー、岸壁から貯炭場まで石炭や鉄鉱石を移動するためのベルトコンベアなどが装備され、機械化がたいへん進んでいます。
■ シーバース
タンカーが原油を荷役するために、陸から離れた沖合につくられた一種のさん橋がシーバースです。シーバースによって吃水(水面から船底までの長さ)が深いために接岸できない超大型タンカーも、荷役ができるようになりました。また、荷役場所が市街地から離れるため、安全性も高まります。シーバースと陸上の貯蔵タンクとはパイプラインで結ばれ、原油はパイプラインを通って荷揚げされます。
■ その他
木材ふ頭は、陸上の貯木場のほか、多くのふ頭で木材を浮かべたまま貯蔵する水面貯木場を備えているのが特徴です。
自動車ふ頭は、車を走らせて積おろしをするため荷役機械はありません。広大な駐車場が特徴です。
水産ふ頭は、外観は雑貨ふ頭とほとんど変わりませんが、巨大な冷蔵倉庫を備えているのが特徴です。
■ 出入港を支える仕事
船の運航を助けるために、港ではさまざまな人達が働いています。水先人、曳船(ひきふね)、食料や船内用品の納入業者などです。
■ 水先人
パイロットとも呼ばれる水先人は、一定以上の船長経験を持ち、国家試験に合格した船のエキスパートです。
外国航路の船長は世界中のさまざまな港に出入りしますが、そのすべての港について、水路の状況や潮の流れなどの詳しい情報を把握することは困難です。そこで、安全で確実に船を出入港させるために、特定の港や水域について熟知し、操船技術にもすぐれた人を船長のアドバイザーとして乗船させる方法がとられています。このアドバイザー役が水先人と呼ばれる人達です。
日本では全国39の港、水域を水先区として指定しています。このうち横浜港、神戸港など、たくさんの船が出入りする港は強制水先区として、一定以上の大きさの船は水先人を乗船させないと出入港できないように定められています。
水先人は水先案内する船が港に近づくと、パイロットボートと呼ばれる小型ボートで船に向かい、船から降ろされたタラップや縄ばしごを昇って乗り込みます。

■ 重要港湾
曳船(ひきふね タグボート)は、船の出入港に欠かせない縁の下の力持ちです。
大型の貨物船やタンカーなどは、もともと小回りがきかず、すぐに停止することが困難です。また、低速になるとほとんど舵がきかなくなります。このため微妙な操船が必要な出入港時や離着岸には、曳船の助けをかります。
曳船は数百総トン程度の小型船ですが、2,000~3,000馬力という、数千トンクラスの船が積むような強力なエンジンをもち、自分の大きさの100倍以上もある数万重量トンの大型船も、わずか2~3隻で動かせる力をもっています。曳船は水先人や船長からの指示に従い、大型船の船首や船尾を押したり引いたりして移動させたり、方向を変えたりして安全に離着岸させます。

■ その他
交通船、綱取り放し業、補給業務なども大切な仕事です。交通船は船と陸とを結ぶタクシーの役割を果たす小型船です。入港してきた船はすべて岸壁に接岸するわけではないため、上陸する船員や、船との連絡業務が必要な海運会社の人達などの大切な足となっています。
綱取り放し業とは、船が着岸したり離岸する際に、船と陸とをつなぐ係船用のロープを岸壁のボラード(係船用の柱状の突起物)などにかけたり、取り外したりする仕事のことです。一見、簡単そうですが、太く重いロープをタイミングよく確実に扱うには熟練を要します。また、海面上のブイへの作業は、不安定な足場のため危険を伴います。
補給業務とは、停泊中の船に燃料、水や食料、船内で使うさまざまな品物を納める仕事のことです。燃料や水は岸壁から直接補給することもできますが、沖合に停泊中の船には、専用の小型船が補給に向かいます。食料や日用品などの補給は専門の民間業者がいて、指定の品物を船まで届けます。
■ 港で見られる船
港にはさまざまな船が出入りしています。外航貨物船がひんぱんに出入りする港、内航貨物船が多いところなど、港によって特徴があります。臨海部にある公園や、港内遊覧船などを利用してシップ・ウォッチングを楽しみましょう。
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