(公)日本海事広報協会のホームページです。「海の日」や海運・造船などの海事産業、マリンレジャーや海洋環境など海について幅広い広報活動をしています。



トップページ > データ集 > 港湾 > 港のはたす役割/港の種類/港の機能と施設
港のはたす役割/港の種類/港の機能と施設
日本の産業、経済を支えるための原材料や製品の輸出入は、そのほとんどが船によっておこなわれています。その船が貨物を荷役(にやく)する大切な場所が港です。日本には経済活動などに大きな影響をもつ港として、国が指定した重要港湾と呼ばれる港など、全国に1,000を超える港があります。そして、港の周辺には多くの都市が発達し、また、臨海工業地帯を形成して産業や経済を支えています。また、こうした大型船が出入りする大きな港のほか、離島の港、ヨットハーバーなどのマリーナ、漁船のための漁港など、私たちのくらしにより身近な港も、全国各地に建設されています。
経済や文化など、さまざまな面で国際社会との交流が活発になった今日、世界の国々と日本を結ぶ接点として、港の役割はますます大きなものになろうとしています。

■ 港の種類
港を利用の面からみると、商港、工業港、マリーナ、漁港などに分類できます。
商港は家電製品や日用雑貨、食料品など、おもに商品として取り扱われる貨物の積みおろしのために使われる港で、東京港、神戸港などが代表例です。
工業港は鉄鉱石や石炭などの工業用原料、石油や天然ガスなどのエネルギー資源を運びこみ、工業製品を積み出す港で、川崎港、四日市港、鹿島港などが代表例です。
マリーナはヨットやモーターボートなどの小型船のための港で、海洋レジャーの基地としての役割もあります。神奈川県の湘南港などが代表例です。
漁港は漁船のための港です。全国には3,000ほどの漁港があり、大きな漁港の周辺には魚市場や水産加工場などの施設が建てられています。静岡県の焼津港、鹿児島県の枕崎港などが代表例です。
実際の港の多くは、利用目的を広げながら発展しているため、複数の機能を備えています。代表例として横浜港、名古屋港などがありますが、そうした港では商港のゾーン、工業港のゾーン、漁港のゾーンなどと港の中を分け、使いやすいように工夫しています。
港にはこうした利用面からの分類のほかに、港の規模、重要度に応じて特定重要港湾、重要港湾などの指定が国によってされています。
■ 特定重要港湾
日本の経済活動などに大きな影響をもつ港のうち、特に外国との貿易を行う上で重要な港として、国が指定した港を特定重要港湾といいます。現在、苫小牧港、東京港、横浜港、新潟港、名古屋港、大阪港、神戸港、広島港、下関港、博多港など、22の港が特定重要港湾に指定されています。
■ 重要港湾
日本の経済活動などに大きな影響をもつ港として、国が指定した港を重要港湾といいます。現在、北は北海道の稚内港から南は石垣島の石垣港まで、106の港が重要港湾に指定されています。
■ 地方港湾
重要港湾以外の港で、各地域、地方それぞれの経済活動などに大きな影響をもつ港を地方港湾といいます。現在、960の港が地方港湾に指定されています。
■ 避難港
暴風雨などのときに小型の船が避難し、海難を避けるために利用する港を避難港といいます。静岡県の下田港、和歌山県の勝浦港など、35の港が避難港に指定されています。これらの港は地方港湾に含まれます。
■ 漁港
漁業のために利用される港で、農林水産大臣によって指定された指定漁港が、全国に3,000ほどあります。漁港は利用範囲によって、地元の漁業中心の第一種漁港、全国的な利用の第三種漁港などにわけられますが、第一種漁港が大半を占め、2,000港を超えています。
■ 港の機能と施設
港のもっとも大切で基本的な機能は、船が安全に停泊できることですが、現代の港は貨物を積みおろしするための機能、それらの貨物を背後の都市へ集配する起点としての物流ターミナル機能、燃料や水を補給する機能、レクリエーション機能、陸上の廃棄物を処分する機能など、さまざまな機能をそなえたシステムとしてつくられています。
■ 船を守る・船をつなぐ
港のもっとも大切な機能は、波や潮の流れから船を守り、安全に停泊できることです。どんな港でも、この機能をつくることから始まります。天然の入江などがそのまま利用できる場合もありますが、そうでない場合は防波堤などを築きます。防波堤や防潮堤、水門などを外郭(がいかく)施設と呼んでいますが、これらは船を安全に守るためのもっとも基本的な施設です。
次に必要な施設が、船をつなぎとめておくための係留(けいりゅう)施設です。岸壁、さん橋、ブイ(係船浮標 けいせんふひょう)などがこれにあたります。
これらの施設と、航路や一時的に停泊するための泊地(はくち)などの水域(すいいき)施設、道路や橋、鉄道の引き込み線などの臨港交通施設を基本施設と呼んでいます。
■ 上屋と荷さばき施設
港が実際に役立つためには、基本施設のほかに荷さばき施設、旅客施設などが必要です。
荷さばき施設とは上屋、荷役(にやく)機械、貨物の管理に必要な施設などをさします。上屋は岸壁背後に建てられた倉庫で、ここで船に積み込む貨物やおろされた貨物を、一時的に保管します。仕分けや検査、通関手続きのためにも利用されます。
荷役機械は貨物の積みおろしのために使われる機械です。機械化による荷役のスピードアップは著しく、特にコンテナ船専用ふ頭で使われるガントリークレーンは、30トンもあるコンテナ1個を平均2分で積みおろし、それまで人手で数日かかっていた荷役を、半日に短縮しました。
■ 倉庫
貨物の中には港で比較的長期間保管されるものがあります。こうした貨物を保管するための施設が倉庫、サイロなどです。倉庫は外観も建っている場所も上屋と変わらないことが多いですが、法律的には区別されています。サイロは一般に穀物やセメントなどのばら貨物を保管する倉庫で、円柱を何本も並べたような外観が目を引きます。
■ 旅客のための施設
港は貨物船だけのものではありません。外航客船やフェリーなども盛んに出入りします。こうした船の利用客のための旅客施設も港には欠かせません。
近年、大型の外航客船が接岸できる専用ふ頭が各地に整備されました。東京・晴海ふ頭、名古屋・ガーデンふ頭などが代表例ですが、こうしたふ頭には待合所やレストランのほか、税関、検疫所など出入国のための施設が完備した客船ターミナルがつくられています。
■ フェリーターミナル
日本列島にはたくさんの長距離、中距離のフェリー航路が発達し、大型フェリーが就航しています。これらのフェリーが発着する港では、車や人を乗り降りさせるための設備や、駐車場、待合所、レストランなどの機能を備えた大規模な施設を、フェリーターミナルとして整備しています。
■ くらしと港
港に面した地域に大規模な商業施設やオフィス、高層住宅を建設したり、展示場やスポーツ施設、マリーナ、海釣り公園、人工海浜などを整備するウォーターフロント開発は、市民と海、港を直接結びつけるものとして定着してきました。また、今日では陸上にごみ処分場をつくることが難しくなっているため、東京港の夢の島のように港に処分場がつくられ、毎日大量に出されるごみが運ばれて処理されています。